お世話になっております。駆け出しエンジニアの松岡です。
人生で初めてパニック障害のような症状が出たので、記録として、そして同じような状況になった方の参考になれば良いなと思って、何が起こったのかを記しておきたいと思います。
パニック障害とは
パニック障害は不安障害のひとつで、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の3つの症状があります。その中でも特徴的な症状がパニック発作です。パニック発作は原因不明の激しい不安を突然感じ、動悸やめまい、呼吸困難などが現れます。
またパニック発作などを再度引き起こしてしまわないかという恐怖心や発作の予兆を感じて不安になったりすることもあります。
具体的な症状の例
- 突然胸が痛んだり、動悸がする
- 息をするのがつらく、胸がつかえた感じがする
- めまいがしたり、汗をかく
- 胃の調子が悪い、吐き気がする
- ぶるぶる震えたり、体がうずくことがある
- とんでもないことをするのではないかと思う
- 自分が自分でないような気がする
- 自分は死ぬのではないか、気が狂うのではないかと思う
(引用元:https://suzukakokoro.jp/medicalcontent/anxietydisorder/)
それは突然やってきた
5月14日は、結婚に先立った両家顔合わせの日でした。
無事に顔合わせが終わった後、彼女が僕たち家族を中部国際空港まで送ってくれました。
空港に着いて少し時間があったので、小さなフードコートで夕食をとりました。
僕はせっかく名古屋に来たので台湾まぜそばを注文したのですが、思いのほか辛くて少しお腹が痛くなってしまいました。後から考えるとこれも悪い影響を与えていたのかもしれません。
搭乗の時間が迫ったので、彼女とお別れをし、家族3人で宮崎に帰る飛行機に乗りました。
席はかなり後ろの方で、私は父と母の1つ後ろの席に座りました。
僕はこれまで何回も飛行機に乗ったことがあるので、いつも通りリラックスして出発を待っていました。
飛行機が出発してからでした。
なんだか油の匂いがしてきました。
気にしなければ良かったのですが、なぜか僕は「油が漏れて引火して爆発したらどうしよう?」といった妄想を始めてしまいました。
たかが妄想なので普段なら何ともないのですが、その時は妄想が止まらなくなってしまい、飛行機に乗っていることが恐ろしく感じてきました。
そのうちに少し息が苦しくなり、動悸が始まりました。
さらに悪いことに、1ヶ月ほど前に採血で失神したことが脳裏をよぎり、「また失神したらどうしよう?」という予期不安も始まってしまいました。
スマホの中にある彼女との旅行写真などを見て気を紛らわそうとしたのですが、不安は増すばかりでした。
また、両親が隣の席ではなかったので絶妙に話しかけづらく、そもそも自分の状況を話すのが少し恥ずかしいような感じもしました。
しかし、そんなことを言っている場合ではなかったので、通りかかったCAさんに横になれる場所はないかと尋ねました。
たまたま一番後ろの列が3席空いていたので、私はそこに座らせてもらうことになりました。
隣の人に迷惑をかけない状況になったので、不安が少しおさまりました。
あとはひたすら恐怖に耐え、何とか失神や発作もなく宮崎空港に着くことができました。
治らない恐怖
僕は症状が出た原因が分かりませんでしたが、飛行機から降りれば治るだろうと考えていました。
しかし、飛行機から降りて車で実家に帰る時も、息苦しさや動悸、不安感がおさまらず、そのこと自体でも少しパニックになりました。
理性は保っていても、体が反応してしまうので止めようがないのです。
車内で思い切って両親に今の状況を伝えました。
僕は原因がマリッジブルー(結婚によるプレッシャーから来る不安)ではないかと考え、「多分マリッジブルーで、不安が止まらない」というようなことを伝えました。
両親は半分笑って、半分心配してくれました。
実家に帰ってからも症状はおさまらず、マリッジブルーに関する解説動画を見たりしながら気を紛らわしていました。
しかし、動画を見ているうちに、どうやら自分はマリッジブルーではないと思うようになりました。マリッジブルーの原因や症状とズレがあったからです。
特に僕は、結婚に何の不安や不満もなく、とにかく幸せで嬉しいことだと心の底から思っていたので、マリッジブルーにはなり得ないと思ったのです。
原因は別にあるのではないか?
眠れない夜が始まる
その夜は寝ようと思っても不安で全く眠れず、リビングのソファーに寝そべって、布団を被りながらラジオを聴いていました。
眠たくて眠るというよりは、体力の限界で落ちるというような眠り方しかできなくなってしまいました。
しかも、眠っているけど意識があるような朦朧とした状態で、体力が全く回復しませんでした。
起きると脳が疲れ切っており、日中は不安で常に緊張しているので、頭がきしむように痛かったです。
恐怖の精密検査
5月15日は、健康診断後の精密検査の日でした。
1か月ほど前に受けた健康診断で血液検査に引っかかったので、精密検査を受ける必要がありました。
しかも、前回の採血の際に失神してしまい、採血が少しトラウマになっていました。
この日は睡眠不足で朝から頭が痛く、動悸やお腹の辺りの不安感もありました。
病院で座っているだけで、意識が飛びそうなくらい症状がひどかったです。
先生には、日を改めたても良いと言われましたが、私として採血と精密検査の結果を先延ばしにする不安よりも、今日終わらせたいという気持ちが強かったです。
今回の精密検査では、ベッドに寝たまま採血しました。
前回同様、息がしづらくなる感覚がありましたが、何とか失神せずに終えることができました。結果を待っている時間は本当に倒れそうでしんどかったです。
結果としては、数値も基準よりほんの少し高いだけで、はっきりした原因も分からない(その原因をはっきりさせるために骨髄検査などのリスクを取る必要はない)ので、経過観察になりました。
現状、そんなに異常はないと知って、少し気持ちが楽になりました。
なぜか涙が止まらなくなる
病院からの帰り道に丸亀製麺で母とうどんを食べました。
さすがに母は僕の異常に気づいていて、励ましたり、姉の婿さんも同じようなことがあったなどと聞かせてくれました。
私はうどんを食べながら、無性に泣きたくなり、丸亀製麺のトイレと帰りの車の中で泣きました。
転職や結婚もしてこれから明るい未来が待っているのに、自分の頭がどうかしてしまったせいで悔しさや申し訳なさが止まらなくなったんだと思います。いつ治るか分からない恐怖もありました。
泣くと少し落ち着きました。
また、この時に、症状の原因は健康や死に関する不安なのではないかと思うようになりました。
飛行機での恐怖、健康診断の結果、失神のトラウマ、結婚による責任などが絡み合って、大きな不安が生まれたのかもしれません。
その後、帰宅すると夕方に眠気がやってきました。
少し眠ったのですが、何かの拍子に起きてしまい、その時に頭の中にものすごい違和感を感じました。
情報を整理していたのを途中でストップしてしまい、情報が脳の中で宙ぶらりんになってしまった感覚です。
この今まで感じたことのない感覚に強い恐怖を抱いてしまい、眠ること自体が怖くなってしまいました。
また、眠りにつく前の意識が朦朧としている状態の時は、自分がなぜ眠る必要があるのか、そのタイミングや理由を明確にしないと眠れないというような謎の考えに頭が支配されていました。
その後も満足に眠れずに不安や頭痛に悩まされる日々が数日続きます。
彼女と再会するも
5月20日に彼女が宮崎の実家にやってきました。
彼女を空港まで迎えに行く車内でも、少し不安感がありました。
僕は彼女に会うと少し落ち着くかと思っていたのですが、再会した後も不安感は消えないままでした。
その日は彼女の隣で眠ろうとしたのですが、やはり眠りにつけず、ラジオを聴いたり別の部屋で寝てみたりして、何とか眠りにつくことができました。
翌朝、朝食を食べているときに、また無性に泣きたくなり、洗面所で少し泣きました。
彼女がやってきて慰めてくれました。
こんなことになってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
症状が出て既に1週間ほど経っていたのですが、動悸、不安感、頭痛、悪い妄想などは常に続いていました。
この日の終わりに、母と彼女が心療内科に行くことを勧めてくれました。
心療内科へ
5月22日に朝から心療内科に行ってきました。
4時間くらい待ってから、先生に診察してもらい薬をもらいました。
この日から寝る前に不安を和らげる薬と睡眠薬を毎日飲んでいます。
薬の効果は絶大で、症状はほとんどおさまり、スムーズに眠りにつくことができるようになりました。
現在の状態
今は症状が出る前とほとんど同じような感覚です。
たまに悪い妄想が出たり、眠るトラウマがあったり、車内やエレベーターの中などで少し不安になったりはします。
このブログを書きながら思い出すだけでも少し不安な感じがします。
いつ完全に治るかは分かりませんが、少なくとも今は絶対に良くなるから大丈夫だと思えています。
人生で初めてこんなことになったので、初めは恐怖しかありませんでしたが、意外と誰にでも起こりうることなんだと分かりましたし、今のうちに体験できてよかったなとも思います。
また、これまでは心に問題を抱えている方の気持ちが実感として分からなかったのですが、少しは気持ちが分かりました。
本当に辛い思いをして頑張っている人たちがたくさんいるんだなと勉強になりましたし、誰かに優しくなれるような気がしました。